＜働き方が変われば人事評価も変わる！どうする？テレワークの人事評価【3】＞ テレワークに適している「目標管理制度(MBO)」とはどのような制度か？
テレワークの増加により「これまでのルール」が通用しなくなってきた「働き方」において、今、人事評価の在り方が問われています。その中で、テレワークに適しているとして、大手企業などで取り入れられている方法が「目標管理制度(MBO)」です。目標管理制度は、以前からも話題になっていた手法ですが「組織と個人の目標をリンクさせて従業員が自主的に目標を設定できる」方法は、テレワーク下においての人事評価として、注目を集めています。ここでは「目標管理制度(MBO)」について、詳しく見てみましょう。
「目標管理制度(MBO)」とは？
目標管理制度の基本的な知識について、紐解きます。
●生みの親は「マネジメント」の著者
「目標管理制度(MBO)」とは、組織と個人の目標をリンクさせ、従業員が自分の意思で目標を設定し、自身で進捗をマネジメントする管理制度を指します。MBOは「Management By Objective」の頭文字からとった略字です。目標管理制度の生みの親はアメリカの経済学者ピーター・F・ドラッガーで、著書の「マネジメント」は日本でもブームを巻き起こしました。
●「人事評価」ではなくあくまでも「管理」する方法
テレワークに適した人事評価として紹介していますが、そもそも目標管理制度は「人事評価」を目的として提唱されたシステムではありません。目標管理制度は、上司が部下とコミュニケーションを円滑にしながら、企業と従業員個人の目標を近づけ、従業員のモチベーションをアップさせ、上司が適宜フォローすることで、成果を達成するための仕組みです。テレワークに適している理由は、上司と従業員で目標を管理する、という点がテレワークで希薄になりがちなコミュニケーションの解消方法となる、という点にあります。目標管理制度を単なる「ノルマ管理制度」と認識していると、上手く運用ができない可能性もあります。
目標管理制度(MBO)とOKRとの違い
目標管理制度(MBO)と同じようなフィールドに登場する言葉が「OKR」です。混同しないように、MBOとOKRの違いについても解説しておきます。
●「OKR」とは？
「OKR」は「Objectives(目標) and Key Results(主要な成果)」の略称です。組織と従業員の目標を連動させ、組織全体のベクトルを合わせるためのフレームワークです。アメリカのGoogle社やFacebook社が採用している手法で、日本ではメルカリがOKRを導入していることで注目されました。
●目標管理制度(MBO)との違いは？
目標管理制度(MBO)もOKRも、目標を設定して管理するマネジメントシステムですが、以下のような違いがあります。
・MBO→目標による管理を目的としており、目標の共有範囲は上司と従業員本人
・OKR→目標と主要な結果を組織全体で共有することを目的としているため範囲が広い
MBOが「従業員が達成できる目標」なので目標設定は高くありませんが、達成度は100％を目指します。他方、OKRは組織全体で高みを目指すため、目標設定は高めとなり、達成度は60％～70％と低めに設定されるところに大きな違いがあります。
目標管理制度(MBO)導入のための2つのポイント
目標管理制度(MBO)を導入するにはどうしたら良いのでしょうか。導入のための2つのポイントをまとめました。
(1)目標を設定する
目標管理制度で最も重要なことは「目標設定」です。いきなり個人の目標設定をするのではなく、まずは「組織の目標」を確認します。最終目標は組織への利益貢献、という意識をすり合わせた上で、組織目標のために、どんな役割をこなし、スキルを発揮するのかという個人目標を、従業員自身に決めさせます。従業員が決めた目標は、上司や同じ部署のチームで共有して、達成可能であるか検討します。目標設定する際は、下記の点に注意しましょう。
・従業員のモチベーションが維持できる目標設定とすること
・ある程度のハードルは設けること
・数値目標を達成するための行動目標も決めておく
(2)目標管理シードを作成する
次に「目標管理シート」を作成します。目標管理シートには、目標の進捗具合の確認やプロセスを記載します。このシートを見ることで、上司は初めて人事評価に役立てます。目標管理シートの作成方法は、以下の通りです。
①従業員の課題を書きだす
従業員本人の自己評価による課題や、スキルアップの目標などを書きだします。
②目標設定
設定した目標を書いて、具体的な数値目標や、スキルを身に付けるためにすることなど、目標別に設定することをおすすめします。またこの際は、目標達成の期日も記入します。
③実行計画の設定
目標達成の実行計画を、期日から逆算して設定します。進行している間は、進捗の変更点や、気づきなどをこまめに記入しておくと良いでしょう。目標管理シートはexcelやスプレットシートを活用する場合もありますが。専用ツールを使用することで共有しやすくなります。
目標管理制度(MBO)や人事評価知るならセミナーを受講しよう！
目標管理制度はテレワーク下での人事評価に向いているマネジメントシステムですが、これまでの働き方を変えて、テレワークでも働きやすい環境づくりのためにも一役買っている制度でもあります。テレワーク下での労務管理や人事評価は何かと苦労が多いですが、セミナーで一発解決してみませんが？下記URLよりテレワークや人事評価に関するセミナーを選ぶことができます。
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【参照情報】
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